第5回「がけ条例と擁壁問題」

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連載形式で綴る家づくり進捗報告の第5回「がけ条例と擁壁問題」です。
家を建てようと決めた時、一番最初に心配だったのがこの問題ですが、実際にハウスメーカーさんに相談した所、見解が分かれるという事態になった時のお話です。

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前回までの家づくりの進捗報告

第5回「がけ条例と擁壁問題」

一条工務店見学

緊急事態宣言が明けて、ようやく住宅公園の営業が再開されました。
それでもコロナの事は不安でしたが、どこのメーカーさんもしっかりとコロナの対策をされており、見学も予約で人数制限されているとの事で、安心して見学させていただく事が出来ました。

一条工務店については、旦那さまの会社の先輩が立てており、床暖房ありきで家づくりを進めるつもりの私達にとって大変興味のあるメーカーさんでした。
性能がいいことも知っていたので興味津々。
ただ価格的に私達には手が出来ないだろうな…という気持ちでお邪魔したのです。

予備知識程度には一条工務店に関する知識はありました。
それでもラインナップに関しては、有名所のi-smartとグランセゾンなど。
更には何の疑いもなく、一条工務店で建てるのなら、i-smartだろうな…とも思っていました。

見学に行った住宅公園には、一条工務店では二棟のモデルハウスを建てており、私でも知っているi-smartとグランセゾンでした。
個人的には洋館が好きで輸入住宅を建てたいと思っていたので、どちらかと言えばグランセゾンの方が興味があったのですが、i-smartで建てるだろうな…と思っていた事もあり、i-smartを見学させて頂いたのです。

入ってすぐの一階のスペースのキッチンでまず驚きました。
広いし、カウンターもついているし、カウンターには収納も完備されているし…と、充実すぎる装備に感動したのです。

更には2階に上がると構造が見えるようになっている展示や、一条工務店の窓がいかに外の熱を通さないかを体験出来るコーナー。
そしてハイドロテクトタイルの実力も、実際に見せていただけました。

温かい時期でしたので、床暖房の温かさは体感出来なかったものの、遮音性も素晴らしく、車の多い通りに面しているのに、外の音が窓を開けない限り聞こえない事にも驚きました。

圧倒的な性能に感動しつつも、お値段的に無理かな?と心の中で思いながら、その日は見学を終えたのでした。

建築地確認(リアルウッド編その1)

一条工務店の前に見学を済ませていたリアルウッド。
こちらはユニバーサルホームとして、建築地の確認に来てくれる事になりました。

最初の見学に行った段階で、準備のいい旦那さまががけ条例の事を心配して登記簿などを揃えて臨みましたので、既に担当さんは崖に関しては知っている状態での確認です。
ですので、一番のメインはがけ条例関連で、擁壁が必要になるのかどうか?
また必要であればどの程度のものが必要になるのか?という点。

そうして実際に担当さんに見て貰った所、「なかなかの崖ですね」と。
それでも、崖の途中に段差があり、二段になっている状態なので、自分の判断ではここで擁壁が絶対に必要かどうか分からないので、一度建築士さんを呼んで確認してもいいですか?…と提案して頂きました。

リアルウッドでは、契約前に建築士さんが確認に来てくれる事は通常はないそうです。
ただ私達の場合は、立地条件に問題があり、少しでも正確な見積もりを出そうと、担当さんが気を使ってくれたのです。

それでもこの段階での担当さんの見解としては、「がけ条例にかかるので、家を前に出して建てるか擁壁が必要になると思います」との事でした。
そして家を前に出すという案を採用した場合、土地の形状から家を崖から離して建設する事は可能だと言う事でした。
ただしその場合デメリットとして担当さんは2つ挙げられたのです。

  1. 母屋より前に出てしまう。
  2. 段差のある土地なので、その段差の土留に近い位置に家が建ってしまう。

上記二点が担当さんが挙げられたデメリットでした。

私達の住んでいる所は田舎で、割と土地が広いです。
そのため、結婚後旦那さまの家の敷地に新築して住むという方法を取る人がかなり多いのです。
それでも皆さん母屋(両親の家)よりも新築が前に出るのを嫌うという傾向にあるそうです。

私達個人は気にしなくても、旦那さまのご両親だったり、親戚だったり、またはご近所の方の事も考えると、そういう一般的な見解には合わせるべきなのかな?とは思いました。
それでも擁壁にかかる費用の事を考えると、出来ればなしで建てられるのが望ましいな…と思ったのです。

建築地さんの見解(リアルウッド編その2)

後日リアルウッドの建築士さんと担当さんが、建築地確認に来てくれました。
今度はプロの目で見ての見解を聞く事が出来るので、ドキドキして立ち会いました。
ここで建築士さんに「擁壁が必要です」と言われてしまえば、私達は家の費用の他に擁壁の費用も用意する事になってしまうから。

所が建築士さんの来てくれたその日は生憎の雨。
更には建築士さんが崖の高さを図るために準備してくれていた道具が、私達の建築予定地では足りないサイズだったのです。

雨と道具の準備不足のため、せっかく建築士さんに来て頂いたのに、結局正確な見解を聞くに至りませんでした。

しかしそのままで終わりにせずに、再度建築士さんの都合のいい時に、崖のサイズを測りに来てくれるとの事に。
お陰で建築士さん基準の正確な見解を聞く事が出来たのです。

その結果は、『擁壁を作らないと家を建てられない』というものでした。
それでも建築士さんの提案で、しっかりとした擁壁は高価なものになるので、一旦崖から離れて低めの擁壁を建てる。
そして更にその低めの擁壁から3メートル程離して家を建てる
…という方法をオススメされたのです。

旦那さまの実家の土地は決して狭い訳ではありません。
ハウスメーカーの担当さんも、お世辞も込みかとは思いますが、「広いお土地ですね」と言ってくださいました。
田舎なので、割と広い土地の家は多いですが、その私から見ても決して狭くない、むしろ広い部類に入る土地だと思います。

ただ形状に問題があり、横に広い感じの形なのに、二段に段差のある構造なのです。
そのため、広さを有効活用しづらい形状となっています。

にも関わらず、崖から離して擁壁。
更に擁壁から離して新築。

その結果、家の裏手に謎のスペースが広がるんだな…と。
ここで私はその建方になんとなく疑問を持ってしまったのです。

水道の引き込み問題

今回リアルウッドさんに建築地確認に来て頂いた事で、私達の抱える問題は崖だけではない事が判明しました。
大変うれしくない新事実でした。

それが水道引き込み問題
建築予定地は既に旦那さまの家族が暮らしている土地。
そのすぐ脇には結構広い道路が接しています。
だから旦那さまも私も、そこから水道を引き込んでいるのだろう…と思っていました。

所が、建築地確認に来てくれた担当さんが、その足で水道関連の資料を役所で貰って来てくれた所、接している道路がぶつかっている別の道路にしか水道が通っていないという新たな問題が!

でもこの段階では、まだ希望があったのです。
既に今暮らすために引き込んでいる水道が、太い管であればそれを利用出来るのでは?と。
しかし、そこを確認した所、一軒分しか賄えない管だという事が判明。
結局水道は、その遠い方の道路から引き込むしかない事が分かりました。

そしてそれもまた担当さんでは料金が分からないため、水道業者を手配してくださり、後日確認して頂きました。
その結果、なんと水道の引き込みに100万円かかる事が分かってしまったのです。

擁壁に続いて水道の引き込み。
新築に向かう私達の道のりには、沢山の壁が立ちはだかったのです。

一条工務店の担当変更と建築地確認

一条工務店の見学の際に担当してくれた方は、私が最初に資料をお願いした時から、何度もメールでやり取りをさせて頂いた方でした。
とてもいい方で、会う前からメールでやり取りさせて頂いていたので、初対面という感じもなく、お話を聞く事も出来たのです。

所がその担当さんが体調を崩されて、別の方が急遽担当してくださる事に。
そんな予想外の事態に驚いてしまいましたが、新たに担当してくれる方には、私達の市での建築の経験が豊富な方を指名してくださったのです。

そのお陰でしょうか?
なんと立ちはだかる壁の一つである擁壁問題。
これがなんと解決してしまったのです。

一条工務店の担当さんの見解では、家を前に出して建てれば擁壁の必要はないとの事。
しかも現在建っている家を解体してそこに新築を建てるのですが、建築場所も今建っている家から少し前に出るくらいで建てられると。
更に後ろに擁壁などを挟まないので、少し後ろのスペースが空いてしまいますが、旦那さまがDIYがお好きという事でしたので、ゆくゆく物置やご自身の作業場などを作られるといいかも知れません…と、空いた裏のスペースの活用法も提案してくださったのです。

既に敷地内にガレージなども含め、空きスペースが少ない状態。
なので後ろのスペースを有効活用出来るという事がとてもありがたかったのです。

そもそも私の中でのがけ条例の見解は以下のようなものでした。

  • 崖から離して建てるなら擁壁はなし
  • 崖に寄せて建てるなら擁壁はあり

にも関わらず、崖から離すのに擁壁が必要だという見解がどこか腑に落ちなくて。
いくら擁壁にかかる費用を抑えるために低めの擁壁にするから、家をがけから離して建てるんですと説明されても、崖から離すのであれば、そもそも擁壁は要らないのでは?と思ってしまったから。

擁壁問題を解決してくれる提案をしてくれた一条工務店の担当さんにそのお話をした所、その通りですので、私にもなぜ崖から離すのに擁壁が必要なのかが理解出来ませんとの事でした。

この段階では見積もりが出ておりませんでしたが、一条工務店が私の中では一歩リードした瞬間でした。

現在は一条工務店と契約をしており、正確な測量をして頂いた所、担当さんのお話通り、家を前に出す事で擁壁なじで建築可能と確定しました。
実際に新居が立つ場所も、母屋と並ぶ感じで、現在建っている解体前の建物よりも少し前に出るくらいの位置になるようです。

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